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医学部受験のためのセンター試験分析2019・化学

理系科目
10 /12 2019
先日行われたセンター試験について、医学部受験生を対象に、問題をチェックしていきます。
まず化学から。2019年の化学はやや難化しました。計算問題がやや複雑なのと、グラフ問題が「科学的思考力を問う」形式であると評価されています。新テスト移行を意識したものでしょう。
医学部受験生としては、てこずって時間がかかってしまうことは避けたいですし、先入観から即断で誤答することも注意したいところです。
 
予備校や出版社などが出しているセンター試験講評などは、一般の受験生を対象にしているので、医学部受験者の状況には合っていない事があります。たとえば問題の難易度については、予備校などの講評では「教科書に掲載されていない物質が題材となっている」「溶液の濃度の変化を考慮して計算をしなければならない」などという理由で、「難しい」とされることがあります。
しかし、私大や国立2次を照準において学習を進めている医学部受験生は、その程度の理由でセンター試験問題を難しいとは感じないでしょう。むしろ、難しいと思うのは、私大や国立2次と傾向が異なるようなタイプの問題がセンターで出題されたときであるというのが実感なのではないかと思います。


第2問問3。
溶解度積の計算問題。「仮のKSPを求めて、実際のKSPと比較する」という典型問題です。しかし溶解度積が反比例グラフで与えられていて、5パターンの混合溶液のうちどれが沈殿発生するかという形式は、目新しいものです。その目新しさに気を取られて、「与えられている濃度は混合前のものである」というヒッカケに気づかなくなると間違えます。
混合すると濃度は下がる(溶液体積は増えるから)、ということは、「鉄則」の形で注意したいところです。イメージで言うと、「10%塩水と10%砂糖水を等量混ぜると、塩水としては5%程度になる」というところです。
 
第3問問5。
センターで無機の計算問題といえば、「化学反応と量」か「モル計算」かがほとんどなのですが、今回は「化学反応と量」。慣れてしまえば中学入試の要領で計算できます。
この問題について、代ゼミは「かなりの思考力を要する」と評価し、東進は「具体的に計算してしまえば素早く解答できる」としています。この問題に答えるだけなら東進の言う通りですし、記述型類題にも対応しようと思えば代ゼミの見解も一理あります。
私大医学部入試では、たとえ平易な問題であっても、1~2コの結果だけを抜き取って計算して終わり、という問題はあまり期待できないので(出題はされるが期待はできない)、「題意を掴もうとする」練習はしておきたいところです。
化学反応と量の問題なので、過不足なく反応するところを探して立式すること。そして、クロム(無機の学習で重金属分野はあやふやになりがち)の知識をしっかり整理しておくこと。価数を間違えると反応式も間違い、そして計算も間違えてしまいます。
 
第7問問2。
選択問題で「やや難」と評価された問題です。ならば選択しなければいいのですが、そのことを試験中に判断するのも難しいです。
ジペプチドと3種のアミノ酸の元素組成比が与えられており、そこからジペプチドがどのアミノ酸からなるかを求める問題です。グラフを見るとまず気づくのは、問題のジペプチドとシステインにのみ硫黄が含まれていることです。各予備校は「ここに気づけばよい」と言っていますが、しかしそれでは2択にしか絞れません。

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慣れてくれば、問題のジペプチドは炭素が少なめ、だからベンゼン環はなさそう、そして問題のジペプチドは酸素が多め、だからカルボニルがありそう、という風に推測できます。
もちろん正確に求めるならば、組成比を実際に計算することになります。時間に余裕があれば、計算によって確定することになりますが、そこまでの時間はないかもしれません。

それでは、対策です。
新テストを意識して、問題文章が長く、設定が複雑になりました。こまごまとしたところで計算もする必要があります。
一方で、医学部受験生が、センター試験程度の基礎知識を持ち合わせていないというのも考えにくいところです。勘違いミスで点を落とすケースが大半でしょう。
ならば、勘違いしやすいポイントを列挙して整理しておくことが、まずは対策になります。
単純な理屈からは導出しにくいような反応式は丁寧に覚えておくこと。濃度計算・熱計算で引っ掛かりやすいポイントは、「○○に注意」という形で箇条書きにでもして覚えること。

秋の勉強2019(1)

勉強法
10 /12 2019
台風が近づいています。クエストも、12日(土曜日)は校舎休館・全授業休講です。
事務スタッフも休みです。
 
今回は、秋の勉強について書いてみます。
現役生は、学校では新出単元の導入授業が全ての科目で一区切りついて、演習授業に入っている頃でしょう。
この演習授業が医学部受験に対応していないこともあるかもしれません。さっさと切ってしまえばいいのかもしれませんが、塾・予備校と違って「欠席する」という選択肢が学校では取れません。
また浪人生は、春ごろ立てた計画(「夏までに基礎を固めて秋からは演習」という程度の計画)がうまくいかずに、焦り出しているかもしれません。「過去問はいつから取り組めばいいか」「演習授業に出席するべきか」など、いろいろ考え始めるころです。

まずは、「秋になって基本が固まっていない」のは、珍しくない、ということです。
合格者の大半は、直前期まで基本に取り組んでいました。プロスポーツ選手がファインプレーの練習なんてあまりやらないのと似ています。
 


夏期講習、始まりました

医学部予備校クエストから
07 /08 2019
7月になってしまいました。
クエストでは今日から、夏期講習・Aタームが始まっています。現役生も浪人生も、短期集中で時間を使える大きなチャンスです。みっちり特定単元を仕上げるチャンスでもあります。
とはいっても、医学部受験生の気持ちは「あれもこれもやらなきゃ」という感じでしょうけれども。
 
とりあえず、夏明けの全統模試を目指して、生活リズムを崩さずにがんばっていきましょう。
 
写真はイラク作戦前に夜間給油するV-22オスプレイ。横田などでも見られます。「左手が赤」です。
オスプレイ含め、多くのヘリコプターは羽根が2コです。なぜでしょう。
(ヒント。2コの羽根は、お互い逆方向に回転しています。)


6月の受験生(6)

勉強法
07 /01 2019
前回にひきつづき。
一例を挙げると、学習内容のうち優先度の高い内容と低い内容に分け、「高」については余裕をもってスケジュールを組み、残りの時間は「低」で埋めていくようにします。
そうすると、予備日はないので毎日緊張をもって過ごせますし、何かの理由で2~3日の遅れが生じても、「高」に絞って学習するように切り替えると、重要な内容を漏らすことなく勉強することができます。
 
実際は、何を「高」に位置付けるのかなど、難しい判断が必要になります。一律に「この内容が大切だ」と言えるものでなく、受験生一人一人の状況に合わせた設定も必要になります。
多くの受験指導ではこのあたりの部分が弱いことが多いです。受験生の状況に合わせた的確な判断がされず、「英語は受験生一般に大切だから君も毎日やるべし」「数学の点数が悪いみたいだから毎朝数学の問題を解こうか」みたいな指導がされることがあり、それが「スケジュールに余裕がないため、復習が追い付かない」問題を引き起こすこととなるのです。
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6月の受験生(5)

勉強法
06 /28 2019
ひきつづき、6月の受験生について。
 
社会人の感覚で受験スケジュールを引くことの弊害を書きました。仕事と勉強の違いがわからないと、仕事の感覚で勉強スケジュールを立てると上滑りになる、というものです。
しかし一方で、良い点もあります。それは、タスクの優先順位をつけるという発想です。
仕事であれば、「今すぐの業務」「緊急度は低いが重要度は大きいもの」など、ある程度、内容に優先順位をつけることができます。これが受験生には慣れていないところで、目前のテスト対策に追われてしまって基礎力が定着しなかったり、神経質に一つの課題にこだわってしまって先に進めなくなったりするところです。
 
これが、以前書いた「6月にスケジュールに余裕がないため、復習が追い付かない」問題を解決するカギとなります。続きは次回。
 
梅雨の花と言えばあじさい。あじさいの花びらはどの部分でしょうか。
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医学部&東大専門塾クエスト は、少人数集団授業および1対1個別授業を行う予備校です。対象は高卒生・現役中高生です。